■翡翠の橋■
ささくれだらけの指先で 青い夏の記憶なぞる
行き場を無くした原石が深い川底に沈む
大粒の雨風の壁が 川越えの橋さえぎる
大輪の蓮の花びら 水滴だけ美しく
次の朝に怯えた欠けてゆく翡翠の橋
目の前の別れ道がただ連なるだけ
近すぎて 近すぎて 近すぎて 見えない
遠すぎて 遠すぎて 遠すぎて 眩い
たまゆらの たまゆらの たまゆらの さざ波
夢の中 手探りで彷徨う
届ける事出来ずに閉じこめた玉手箱
残酷な時計 消えかかる翡翠の橋
ちぎれ雲 ちぎれ雲 ちぎれ雲 見渡し
少しづつ 少しづつ 少しづつ 踏み出す
はにかんだ はにかんだ はにかんだ 横顔
遠ざかる 遠ざかる 遠ざかる 翡翠の橋
永遠があるのなら…
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